2026年5月9日~5月31日にかけて「サウナ川柳コンテスト2026」を開催し、全国のサウナーから777句にのぼるご応募をいただきました。
今年も、サウナへの愛情とユーモア、そして現代的な感性が光る句が多数寄せられ、厳正な審査の結果、最優秀賞1句・優秀賞3句・佳作6句を選出いたしました。

松山市は俳句の聖地として知られ、正岡子規の生誕地でもあります。
今回のコンテストは、伊予の湯治場喜助の湯の女性サウナ改装(藍美サウナ)を記念して開催。
「17文字で、言葉を紡ぎ、サウナを詠む」というテーマのもと、サウナ体験と愛媛の伝統文化である川柳を融合させ、参加者に心の癒やしとクリエイティブな表現の場を提供しました。
- 入賞作品紹介
🥇【最優秀賞】

見ず知らず サウナ介して みず入らず
選評:サウナ愛好家ならではの人間関係の変化を、言葉遊びを交えて表現した楽しい一句です。この句の最大の魅力は、「見ず知らず」→「みず入らず」という対照的な言葉の配置にあります。最初は全くの他人だった者同士が、サウナという共通の場を介して親しくなり、今では気兼ねなく過ごせる仲になった――その変化がわずか十七音の中に凝縮されています。「見ず」と「みず」の音の反復も心地よく、耳に残る句になっています。中七の「サウナ介して」も素直で分かりやすく、サウナが単なる入浴施設ではなく、人と人をつなぐコミュニティの場になっていることを自然に伝えています。サウナ好き同士なら、「ああ、常連同士のあの距離感だな」と共感できるでしょう。
🏅【優秀賞】

ウォッチから 心読み解き 『いま出ろ』と
選評:「読み解く」としたことで、サウナウォッチが発するデータを解釈しながら、自分の身体と対話している感じが出ています。近年のサウナ文化とウェアラブルデバイスの融合をうまく切り取っています。下五の『「いま出ろ」と』が擬人化として効いています。ウォッチがまるでサウナ師匠のように、「そのタイミングだ!」と指示してくる情景が浮かびます。

川柳と サウナで五感(語感) ととのった
選評:最大の魅力は、中七の「五感」と「語感」を重ねた言葉遊びにあります。サウナによって身体感覚が研ぎ澄まされることと、川柳を作るうえで大切な言葉の響きやリズムへの感覚が磨かれることを巧みに結び付けています。下五の「ととのった」が秀逸です。サウナでの「ととのう」と、川柳の発想や言葉選びが整う状態の両方を自然に連想させ、一句全体を気持ちよく着地させています。サウナで五感が澄み、その結果として川柳の語感まで冴えてくるという体験が、ユーモアと共感を伴って表現された、発想の面白い一句です。

「見てごらん」 サウナで褒められ 出られない
選評:まず面白いのは、「サウナで褒められた」という状況そのものです。大人でも熱くて我慢が必要なサウナで、子どもが頑張っている姿を周囲の大人が「見てごらん」と褒める。その一言によって、本人は本当は出たいのに意地でも出られなくなってしまう――そんな見栄や照れが伝わってきます。特に下五の「出られない」が効いています。単に「頑張る」ではなく、「褒められた結果として退路を断たれてしまった」というユーモラスな展開が生まれています。読者は「もう十分なのに、褒められたせいで我慢しているんだな」と想像でき、思わず笑みがこぼれます。また、この句には子どもの心理描写が巧みです。子どもは大人から認められると嬉しい反面、その期待を裏切りたくない気持ちも強いものです。その繊細な感情を説明せず、「褒められ」「出られない」の因果関係だけで表現している点が川柳らしい省略の妙と言えます。
✍️【佳作】

あまみ咲く 我が身はまさに 芸術品
選評:あまみ咲くが非常に美しい表現です。「あまみ」は本来、皮膚に現れる赤いまだら模様ですが、それを単なる現象としてではなく「咲く」と表現したことで、一気に詩情が生まれています。花が開くように身体に広がる様子が視覚的に伝わり、サウナ後の高揚感ともよく合っています。また、中七の我が身はまさにによって視点が明確になります。客観描写ではなく、「おお、これはすごい」と鏡の前で感動している本人の気持ちが自然に伝わってきます。下五の効果芸術品ここがこの句の最大の面白さです。普通なら「あまみ」を美しいと感じても、「芸術品」とまで言い切るのは少し大げさです。しかし、サウナ後の独特の多幸感や万能感を知っている人なら、「分かる、その時は本気でそう思う」と共感できます。
タイパより 今はじっくり 蒸されたい
選評:現代社会を象徴する言葉 「タイパ」 を用いながら、効率化一辺倒ではない時間の豊かさを描いた共感性の高い一句です。「タイパより」という書き出しで現代人の日常を示し、その後の 「今はじっくり蒸されたい」 へと展開する構成が分かりやすく、メッセージも明快です。特に 「蒸されたい」 という受け身の表現が秀逸で、何かを成し遂げるのではなく、熱に身を委ねるサウナならではの価値観が表れています。効率や生産性を追い求める毎日の中で、「何もしない時間」の尊さを感じさせる一句として、多くの人の共感を呼ぶ作品です。効率や生産性を追い求める毎日の中で、「何もしない時間」の尊さを感じさせる一句として、多くの人の共感を呼ぶ作品です。

親子にて 裸を見せあい こころまる
選評:サウナや温泉を通じて生まれる親子の絆を、素直な言葉で温かく表現した一句です。派手な技巧や笑いを狙うのではなく、人と人との関係の変化や心の距離の近さを描いており、読後にほっとした気持ちが残ります。「母と娘」「父と子」と限定せず、「親子」としたことで、多くの人が自分の経験に重ねやすくなっています。単なる入浴風景ではなく、親子の心の交流として読めるのが魅力です。
サウナ帽 アウェイのサウナも kSc
選評:サウナ施設への愛着と“サウナーあるある”を、コンパクトにまとめた一句です。特にホームサウナを持つ人には強く響く作品で、「浮気しても結局はホームに帰る」という気持ちがユーモラスに表現されています。サウナハットをかぶるだけで、「ただの入浴客」ではなく「サウナー」であることが伝わります。ホーム施設が使えないため、普段行かない施設へ足を運ぶ。その少し落ち着かない感じや、どこか緊張感のある気持ちが「アウェイ」というスポーツ用語で上手く表現されています。「結局、心はKSC」まるでスポーツチームのサポーターや、行きつけの店の常連客のような愛着が感じられ、親しみやすい一句です。

1分が 無限に変わる 鬼サウナ
選評:この句の核は、1分 ⇔ 無限という極端な対比です。実際には1分しか経っていないのに、「まだ1分!?」「5分くらい入った気がする…」という鬼サウナ特有の時間感覚の歪みを、誇張表現によって上手く表しています。川柳は大げさなくらいの誇張が笑いになることがありますが、この句はその成功例です。サウナに詳しくなくても「よほど熱いんだな」と理解できます。最後が「鬼サウナ」となっており、最後に原因が明かされる形になっています。読者は、「何がそんなに時間を長く感じさせるのか」と思いながら読み進め、最後の「鬼サウナ」で納得します。結句がよく働いています。
俺サウナ 妻も自宅で ホット(ほっと)する
選評:言葉遊びの巧みさと夫婦の日常がうまく噛み合った、ユーモアあふれる一句です。サウナそのものだけでなく、「サウナに行くことで家庭にも平和が訪れる」という視点が面白く、多くの既婚サウナーの共感を呼びそうです。「俺はサウナへ行くぞ」という宣言のようにも聞こえ、サウナ好きの自負や日常のルーティンが感じられます。妻も自宅でによって視点が自分から妻へ移り、単なるサウナ自慢ではなく夫婦の物語になります。夫はサウナでホットになる,妻は家でほっとする,この仕掛けが非常に分かりやすく、読後にクスッと笑えます。
🎁【受賞者特典】
最優秀賞(1名):喜助の湯プリカ 1万円分
優秀賞(3名):喜助の湯プリカ 3千円分
佳作(6名):喜助の湯 入浴+岩盤浴券📆
特典の受け渡し方法については、入賞者様に直接ご連絡させていただきます。
【展示&掲示について】
入賞作品は、2026年6月20日(土)〜7月31日(金)の期間、「伊予の湯治場喜助の湯 」「しまなみ温泉喜助の湯」各店舗にて掲示予定。
ぜひ、実際の施設でも作品をご覧ください。



